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ネイルサロン経営の成功を左右する"スタッフ採用"の重要性

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 ネイルサロン経営の成功のカギは『リピート率の高い顧客の獲得』にあります。リピート率を上げるための施策は様々ありますが、最も重要なのはお客様が「また来たい」と思える安心感のあるサロンであること。自分の体を他人に委ねることへの緊張感をほぐしてもらえるような、『居心地の良さ』『信頼』を提供できるサロンでなければなりません。
 リピーターとなっていただくためには、サロン全体の雰囲気・意思疎通の質・施術可能なデザインなどあらゆる要素を満たす必要があります。難しく聞こえるかもしれませんが、一度気に入っていただければ月1回の定期メンテナンスが発生し続けるため、安定化させやすいビジネスでもあります。
 そのすべてを左右するのが、ネイリスト。今回は、ネイルサロン経営を成功へ導く"スタッフ採用の重要性"について詳しくご紹介します。

1.スタッフ採用が重要な理由

お客様が選ぶのは「ネイリスト」です

【主に利用しているネイルサロンを選んだ際の重視項目】
1位「スタッフの接客態度が良いこと」(68%)
2位「技術力があること」(63%)
3位「料金が明確であること」「料金がリーズナブルであること」(53%)
4位「スタッフの気配りが良いこと」(43%)
(出典)株式会社リクルート ホットペッパービューティーアカデミー「ネイルサロン利用実態調査

 このアンケートが示す通り、リピーター獲得のカギを握るのはスタッフ(=ネイリスト)です。お気に入りのネイリストを見つけたお客様は、何度も通う中で担当ネイリストとの関係性を築いていきます。つまりリピート率が高いお客様ほど、"サロン"ではなく"ネイリストのお客様"であるということ。そのため、ネイリストの退職がお客様のサロン離れに繋がってしまうのです。

居心地の良さに欠かせない、ネイリスト同士の関係性

 どれほど技術力の高いネイリストに出会えたとしても、他のスタッフとのぎくしゃくした関係性が見えてしまえば、心地良さは激減します。居心地の悪い空間で受ける施術の満足度が高くなるはずもありません。技術や経験のあるネイリストは魅力的ですが、それだけでお客様を繋ぎ留められるわけではないのです。
 逆に、ネイリストの技術や経験が浅くても、サロン全体に活気や明るさがあれば、それだけでお客様の居心地は格段に良くなります。サロンの居心地の良さにはネイリストの魅力を実力以上に高めてくれる効果があるため、スタッフ間の良好な関係性は必要不可欠! 採用面接では技術や経験だけにとらわれず、同僚にも気遣いのできるコミュニケーションスキル・対話力についてしっかりと見極めていきましょう。

スタッフが入れ替わるほど時間とお金がかかる

 これはネイルサロンに限った話ではありません。これまで仕事をしてきた方なら、誰もが身をもって理解されているのではないでしょうか。
 採用費には、求人媒体の費用に加え、社会保険や雇用保険など労務手続きに関する費用も含まれます。社会労務士などの専門家に依頼すればオーナーの手間は軽くなりますが、かかる費用はより高額です。また、研修にかかるネイリストの人件費も余計に発生します。短期間で辞められてしまえば、これらすべてがリセットされ、もう一度同じだけの費用と時間を費やさなければなりません。さらに、ネイリストが定着せずリピーターを増やせなければ、集客コストも新規開業時と同じペースで発生し続けます。
 ネイリストは女性が多く、ライフステージの変化による離職率も高い職業です。だからこそ、オーナーの努力次第で避けられる離職理由にはあらかじめ対策をしておくことが大切です。

2.ネイリストの離職理由とは

代表的な離職理由

 ネイリストの離職理由として特に多いのは、次の通りです。

【労働環境への不満】
◆休憩がない:施術時間はネイルのデザインによっても大きく変動します。場合によっては予定時間を大幅に超えてしまうことも。そんな時に予約が詰まっていれば、ネイリスト自身の休憩を削るしかありません。これが何度も続けば、大きな不満へと発展します。
◆給与が低い:ネイリストの給与水準は世間相場と比べて高いとは言えません。中でも特に気を付けなければならないのが、試用期間。試用期間中だからといって低すぎる給与を設定すると、試用期間で離脱されてしまいます。

【人間関係の不満】
◆上下関係のトラブル:どの職場にもある不満ではありますが、技術力・キャリア・指名数など判断の指標が多いネイリストの世界では、一度こじれると正常化が難しくなります。
◆派閥問題:サロンによっては先輩が後輩にOJTで仕事を教えています。相性や指導法はそれぞれ異なり、そこから派閥が生まれて対立......なんてケースも。派閥同士のいがみ合いは、サロン全体の雰囲気を悪化させます。

【仕事内容への不満】
◆体力的なハードさ:爪という小さな箇所に絵を描きストーンを貼る作業は、とてつもない集中力を要します。さらに集中力を維持したまま、居心地の良い接客にも気を配らなければなりません。指名状況によっては休憩や休日も取りにくくなるなどのハードさもあり、「思っていたのと違った」と離職するケースは少なくありません。
◆技術向上サポートの少なさ:ネイルアートの流行は常に変動します。新たな商材もどんどん出てきます。にもかかわらず技術向上の機会がない場合、ネイリストはキャリアアップのために新たな職場を求めてしまいます。

 上記すべてを解消するのは簡単なことではありませんが、大切なのは、ネイリストが抱く不満をオーナーが正しく把握することです。たとえすぐに解決しなくとも、オーナーが解決のために何らかのアクションを起こしていれば、それだけでネイリストの安心感に繋がります。

そもそも、ネイリストは離職率が高い

 ネイリストは、他職種に比べて離職率の高い職業です。新卒ネイリストの1年未満での離職率は50~60%。一般企業で働く新卒会社員の離職率が18%前後であることと比べると、かなり高い数字です。また、厚生労働省のデータでも、ネイルサロンの属する「生活関連サービス業、娯楽業」の3年以内の新卒離職率は56%と発表されています。
(出典)厚生労働省「新規短大等卒就職者の産業別離職状況

 とは言え、一度仕事になじめば長く続けやすいのもネイリストの特徴。不満に繋がりやすいポイントさえしっかりと押さえておけば、離職率を下げることができるのです。サンミーゴでは、ネイリストが抱きやすい不満や起こりがちなトラブルをあらかじめオーナーに共有することで、円滑なサロン運営をサポートしています。

3.離職を避けるための3つのポイント

①スタッフが安心して働ける労働環境をつくる

 休憩の有無や残業代支払いなどの労働問題に加え、体力の限界を感じて離職するネイリストも少なくないのがネイルサロンです。より良い人材に長く働いてもらうには、まず、働きやすい労働環境を提供する必要があります。
 たとえば、労働環境改善の一手としてお勧めなのが歩合制の導入です。指名獲得や技術向上によって分かりやすく給与が上がる仕組みは、ネイリストの意欲向上に繋がり、サロン全体のレベルアップにも繋がります。
 経営者となる以上、労働に関連する法律は「知らなかった」では済まされません。専門的な知識も必要となるため、社会保険労務士・会計士・税理士などの専門家と顧問契約を結び、サポートを受けるのがおススメ。サンミーゴ加盟店でも、特に個人オーナーの場合は本部からの顧問紹介制度を活用されているオーナー様がほとんどです。
 福利厚生の充実も安心して働ける労働環境に繋がります。休憩をとることを推奨する意味も兼ねて昼食補助を出すなど、日常で活用できるささやかな内容でもネイリストの満足度は上がり、離職率を下げる効果を生みます。

②技術やキャリアだけでなく、人間性も重視する

 素晴らしい技術とキャリアを持っているからと言って、必ずしも良い人材とは限りません。ネイリスト同士の相性によっても左右されるため、面接だけで見極めるのは至難の業ですが、人間関係によるスタッフ離職は最も避けたいところ。これはネイルサロンに限った話ではありませんが、技術よりもキャリアよりもまず、ほかのスタッフにきちんと配慮のできる人材であるかをきちんと判断することが重要です。
 また、ネイルサロンの主要ターゲット層に合致した人物像であるかも大切です。年齢・服装の好み・髪型・会話レベルなど、自分の求めるサロン像とあまりにもかけ離れたネイリストの採用は、どんなに人材難であってもお勧めできません。どんな客層を求めているのか、そのお客様とネイリストが仲良くしている姿が想像できるか......という視点も忘れないようにしましょう。

③キャリアアップの機会を作る

 日進月歩のネイル業界において、新たな情報の収集・技術の獲得は日々欠かせません。社内研修だけでなく、メーカー主催の講習や外部講師委託など、研修機会をきちんと設けることはネイリストの意欲向上に直結します。研修だけに限らず、ネイル商材ブランドが集まるイベントへの参加をお願いしたり、新たなメニュー選定を任せたりといったキャリアアップの機会を作ることも有効です。
 加えてサンミーゴでお勧めしているのは、多店舗展開によるポスト増設です。働きやすく居心地が良い店舗を作ればネイリストは定着しますが、昇進機会は得にくくなります。しかし新たな店舗をつくれば、新しいサロンの店長やマネージャーポストが生まれ、さらに店舗が増えれば統括マネージャーのような管理職ポストにも繋がります。人間関係の問題も、異動機会があれば解消できる可能性が高まります。実際、成功するネイルサロンのほとんどが開業1年以内に多店舗展開へ移行されています。

まとめ

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 人件費は経費の中でも特に金額の大きな部分です。そのため、最低限の投資で済ませたい......と思ってしまいがちですが、それは絶対にNG!人材への投資こそがサロン全体の満足度を高め、価値を向上させます。給与・待遇を削っていては、良い人材は定着しません。売上・利益・人件費の適切なバランスをとることが、成功への近道。高いリピート率による早期安定経営を実現するためにも、ネイリストへの投資を惜しまず、居心地の良いサロンづくりを心がけましょう。

 サンミーゴの「開業支援に関する無料診断付き説明会」では、スタッフとの接し方から労働環境・研修機会の作り方など、さまざまなサポート内容をご紹介しています。加盟の有無にかかわらず、ネイルサロン経営に興味をお持ちの方なら必ず役立つ情報です。ぜひお気軽にご参加ください。

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