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「テナント募集の看板を出してから3ヶ月、半年、1年...一向に入居者が決まらない」 そんな悩みを抱える不動産オーナーの方は、決して少なくありません。特に飲食店や物販店といった従来型テナントを想定していた物件では、昨今の市場環境の変化により、なかなか契約が決まらないケースが増えています。飲食店は初期投資が高額で、コロナ禍以降の廃業率も高く、テナント候補者自体が減少傾向にあります。物販店もEコマースの台頭により実店舗への出店意欲が低下し、空室期間が長期化する傾向です。
そんな中、不動産オーナーの新たな選択肢として注目を集めているのが「ネイルサロンテナントの誘致」です。従来の発想にとらわれず、成長市場である美容業界、特にネイルサロンに目を向けることで、空室リスクを解消し、安定した収益を実現できる可能性があります。
この記事では、物件を所有・運用する不動産オーナーの視点から、ネイルサロンテナント誘致のメリットと具体的な進め方について解説します。
株式会社リクルートが実施した「美容センサス2025年上期(美容サロン利用実態調査)」によれば、美容業界全体は約2兆6,820億円という巨大な市場へと成長しています。その中でもネイルサロン市場は約1,455億円規模で、前年比4.7%増と3年連続で拡大。コロナ禍で一時的に落ち込んだ美容需要は完全に回復し、さらなる成長軌道に乗っているのです。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003030.000011414.html
特に注目すべきは、ネイルサロンを年12回以上利用する高頻度利用者の割合が27.2%に達し、前年から2.9ポイント増加している点です。これは、ネイルが「特別な日のおしゃれ」から「日常的な身だしなみ」へと変化し、定期的に通う習慣が定着していることを意味します。
ネイルサロンは、飲食店や物販店と比較して圧倒的に開業ハードルが低い業態です。大型の厨房設備や高額な什器、大量の在庫を必要とせず、10坪前後の小規模スペースでも十分に開業できます。また、ネイルサロンは住宅街、オフィス街、商業施設、駅近など、さまざまな立地で成立する柔軟性の高いビジネスモデルです。「駅前の一等地でないと成立しない」という制約がないため、これまでテナントが決まりにくかった物件でも収益化できる可能性があります。
加えてネイルサロンの需要は、都市部だけでなく地方都市や郊外にも広く存在します。美容への関心は年齢や地域を問わず高く、主婦層、OL層、若年層など幅広いターゲットが見込めるため、立地を選ばない安定した需要が期待できるのです。
ネイルサロンをテナントとして誘致することは、不動産オーナーにとって多くのメリットがあります。ここでは、具体的に5つのポイントに絞って解説します。
1. 安定した賃料収入が見込める
2. 物件の選択肢が広い
3. 近隣トラブルが少ない
4. 設備投資が最小限で済む
5. 物件価値の向上につながる
一つひとつ解説しますので、不動産活用を検討している方はぜひ参考にしてください。
ネイルサロンは、前述の通りリピーター型ビジネスとして非常に優れており、一度顧客基盤を確立すれば安定した収益が見込めます。そのためテナントとしても長期的に入居してくれる傾向が強く、頻繁な入れ替わりによる空室リスクを最小限に抑えられます。飲食店のように流行り廃りが激しく、2〜3年で閉店してしまうケースと比較すると、ネイルサロンは一度軌道に乗れば5年、10年と継続してくれる可能性が高いのです。定期契約を結ぶことで、不動産オーナーとしても長期的な収益計画を立てやすくなります。また、美容業界全体が成長市場であるため、廃業リスクも比較的低く、安心して賃貸契約を結べる業態と言えるでしょう。
ネイルサロンの大きな魅力は、立地や物件条件の制約が少ない点です。ネイルサロンは予約制で運営されることが多く、顧客は事前に予約を取ってから来店します。そのため飲食店や物販店のように「通行人の目に留まる立地」である必要はありません。駅近でなくとも、住宅街や郊外の物件でも十分に集客が可能です。また、10坪(約33㎡)前後の小規模スペースでも開業できるため、4〜5席のコンパクトなサロンであれば、これまで「狭すぎて使い道がない」と諦めていた物件でも有効活用できる可能性があります。飲食店や物販店は、集客のため1階の路面店が好まれますが、ネイルサロンは2階以上のビルやマンションの一室でも問題なく運営できます。1階以外の空室に頭を悩ませているオーナー様にとっては大きな魅力となるでしょう。
不動産オーナーにとって頭を悩ませる問題の一つが、テナントによる近隣トラブルでしょう。しかしネイルサロンは、こうしたトラブルが発生しにくい業態として知られています。飲食店のように調理に伴う騒音や油煙、臭いが発生することはありません。ネイルサロンは静かな環境で施術を行うため、近隣住民からのクレームリスクが極めて低いのです。また、ネイルサロンの顧客層は主に女性で、予約制のため大声で騒ぐような顧客が集まることもありません。落ち着いた雰囲気の中で施術が行われるため、建物全体の品位を保ちやすくなります。さらに、多くのネイルサロンは10時〜20時前後の営業時間で、深夜営業を行うケースはほとんどありません。夜間の騒音トラブルや治安への影響を心配する必要がないのも、オーナーにとって安心材料となるでしょう。
飲食店をテナントとして迎える場合、厨房設備、排気ダクト、グリストラップ、ガス設備など、大規模な設備投資や改修工事が必要になることがあります。しかし、ネイルサロンはそうした大掛かりな工事が不要です。ネイルサロンの開業に必要なのは、基本的な内装工事と電気・照明設備のみ。特殊な換気設備や高額な機器の設置を求められることはありません。
ネイルオフやハンドケアのために給排水設備が必要ですが、最低限の手洗い場があれば十分です。飲食店のような大型のシンクや給湯設備を新設する必要はありません。さらに、飲食店では消防法や保健所の基準を満たすための特殊な設備が求められますが、ネイルサロンはそうした規制が少なく、物件への負担も最小限に抑えられます。原状回復の際にも大規模な工事が不要なので、万が一の際にも次のテナント募集がスムーズに進められるのです。
ネイルサロンが入居することで、物件全体のブランドイメージが向上する効果も期待できます。美容系のテナントは、それだけで建物全体に洗練された印象を与えます。特に女性客が多く訪れるネイルサロンは、清潔感やおしゃれなイメージを周囲に発信し、物件の価値を高める効果があります。
また、ネイルサロンが入ることで建物周辺の雰囲気が明るくなり、他のテナントや住居者にとっても好ましい環境が生まれます。結果的に、物件全体の評価が上がり、他の空室も埋まりやすくなる可能性があります。
もしネイルサロンが退去することになったとしても、美容系テナントとしての実績があれば、次の誘致でもアピールポイントになります。「以前ネイルサロンが入っていた物件」という実績は、他の美容系事業者にとっても魅力的に映るからです。
ネイルサロンのテナント誘致を進めるなら、まずはネイルサロン開業を考える側の立場から、どのような物件条件が好まれるのかを知っておくことが重要です。ここでは、ネイルサロン開業に適した具体的な物件条件について、立地条件・広さ・設備などの観点から解説します。
ネイルサロンは、以下のような多様な立地で開業が可能です。
● 住宅街:主婦層や近隣住民をターゲットにした「通いやすいサロン」として人気
● オフィス街:仕事帰りのOL層をターゲットに、平日夜の需要が見込める
● 商業施設内:ショッピング客が立ち寄りやすく、高い集客力が期待できる
● 駅周辺:通勤・通学の利便性から幅広い層にアプローチ可能
駅から徒歩10分以上離れた物件や、2階以上のビル・マンションでも十分に需要があるため、これまで「立地が悪い」と諦めていた物件でもネイルサロンなら誘致・収益化できる可能性があります。
ネイルサロンの規模は、席数によって必要な広さが変わります。
● 4〜5席規模:10〜15坪(33〜50㎡)が目安。最も一般的なサイズ
● 2〜3席規模:7〜10坪(23〜33㎡)の小規模物件でも開業可能
● 10席以上規模:20坪以上(66㎡以上)で大型サロンとして展開
小規模な物件でも開業できるため、「この広さでは借り手が見つからない」と悩んでいた空室にも借り手が決まるチャンスがあります。
まず電気容量についてですが、ネイルサロンでは照明器具やネイルマシン、エアコンなどの電気機器を使用しますが、一般的な店舗用電気容量(30A〜50A程度)があれば問題ありません。大型サロンの場合は60A以上が望ましいです。水回り設備についても、ネイルオフやハンドケアのため給排水設備が必要ですが、既存の洗面台やミニキッチンがあればそのまま活用できるケースが多く、大規模な配管工事は不要です。換気設備に関しては、ネイル施術ではアセトンなどの溶剤を使用するため、換気設備の優先度は高めになります。窓があれば自然換気で対応可能ですが、そうでない場合には換気設備の設置工事が求められるでしょう。
ここまで不動産オーナーの視点から、外部のネイルサロン開業希望者を募るテナント誘致について解説してきましたが、実はもう一つ、「不動産オーナー自身がネイルサロンを開業する」という選択肢があります。
不動産オーナーがネイルサロンを開業するメリットや手順についてご紹介しましょう。
自己所有物件でネイルサロンを開業すれば、賃料という固定費を支払う必要がありません。つまり、通常のネイルサロン経営よりも大幅にコストを抑えながら、高い利益率を実現できるメリットがあります。
私たちサンミーゴのサポート実績では、標準的な5席規模のネイルサロンで月商250万円、営業利益75万円(営業利益率30%)という収益モデルを実現しています。これはテナント物件を借りる前提ですので、自己所有物件であればさらに利益率を高めることも可能です。不動産資産を「稼ぐ資産」として活用しながら、事業収益も得られる理想的な不動産活用法と言えるでしょう。
「美容業界の経験がないのに、自分で開業するのは不安...」そう感じる不動産オーナーの方も多いでしょう。しかし、ネイルサロンの大きな魅力は、オーナー自身が現場に立たなくても、業務委託型の運営モデルで経営できる点にあります。具体的には、ネイリストをスタッフとして採用し、施術業務を任せる形式です。オーナーは物件を提供し、経営方針や数字の管理に専念するだけで、高収益なビジネスを回すことができます。
美容業界のトレンドとして、優秀なネイリストほど「自分のペースで働きたい」「固定給ではなく歩合制で稼ぎたい」というニーズが高まっています。そのためスタッフへ大きな裁量を任せるサロンは技術者側からも歓迎され、人材確保もしやすくなっているのです。
とはいえ、「人材採用はどうすればいい?」「集客方法がわからない」といった不安もあるでしょう。そうした場合は、ネイルサロン向けの開業支援サービスを活用するという方法もあります。
たとえば私たちサンミーゴが提供する開業支援では、以下のような実務面のサポートを実施しています。
● 物件条件に合わせた収益シミュレーション
● ネイリストの採用戦略と面接サポート
● 技術研修と接客マニュアルの提供
● エリア特性に応じた集客・広告戦略
● 開業後の経営コンサルティング
こうした支援を活用することで、業界未経験の不動産オーナーの方であっても、初期リスクを抑えながら確実にスタートを切ることが可能になるのです。
自己所有物件でネイルサロンを開業するメリットは、賃料負担がゼロという点だけではありません。テナント集客のための広告・マーケティングや、法人との契約更新や退去交渉といった煩わしさからも解放され、長期的な視点で事業計画を立てられます。物件の改装やレイアウト変更も自由に行えるなど、自己所有物件ならではの理想的なサロン空間を追求できる点も見逃せません。
将来的に事業を拡大したい場合にも、物件を担保にした融資が受けやすくなるなど、財務面でも有利に働きます。不動産という資産を「収益を生む装置」として最大限に活用できるのです。
本記事でご紹介したように、ネイルサロンは不動産オーナーにとって多くのメリットがあります。
● 安定した賃料収入が見込める(長期入居の傾向)
● 物件の選択肢が広い(小規模・駅遠・2階以上でもOK)
● 近隣トラブルが少ない(騒音・臭気がほぼゼロ)
● 設備投資が最小限で済む(大規模な工事不要)
● 物件価値の向上につながる(美容系テナントのブランドイメージ)
成長を続けるネイルサロン市場の追い風を受け、開業希望者も増加しています。これまで「決まらない」と諦めていた物件でも、ネイルサロンなら誘致できる可能性が十分にあるのです。
● 「空きテナントをなんとかしたい」
● 「ネイルサロンの誘致に興味がある」
● 「自分で開業することも検討したい」
そんなふうに考えているなら、まずはお気軽にご相談ください。私たちサンミーゴでは、20年以上のネイルサロン経営実績をもとに、不動産オーナー様の物件活用をサポートいたします。不動産活用の新しい選択肢、ネイルサロン誘致・開業支援について、詳しくは無料診断付きの説明会でご相談ください。